2007年12月21日(金) 人間ドック

明日への一歩 - 告知

<食道がん>と宣告されました。

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<がん>と宣告されて、病気への不安もさることながら、今後自分がどんな状況に置かれるのか不安を感じました。

<食道がん>の情報や病院、治療法の選択をするにも、専門書以外にインターネット上で公開されている同じ病気の方の闘病記が大変参考になりました。

私も、文章を書くことで、自分の置かれた状況を客観的に観察し、冷静に闘病していこうと思います。


2007年12月21日(金) 人間ドック


「ちょっとこれを見て下さい」と医師に言われ、モニターに近づいた。
35歳になり、人生初人間ドックにして、初胃カメラ検査。
2ヶ月前に同じく初胃カメラを経験した夫から、胃カメラ後、内部映像を見せてもらえるという話を聞いていたから、何の躊躇もなく、モニターに目を移した。

「ちょっと問題がありそうです」という医師の言葉に続き、問題の箇所についての説明が始まった。
薄いピンク色の粘膜の表面に、あきらかに違和感のある膨らみが映っていた。

「ポリープ自体は問題だとは言えないのですが」と言いながら、その表面がクレーター状になっていること、一部うっ血が見られることが問題だという話をされた。

「ほら、ここ窪んでるでしょ」とか、「赤くなってますよね」という説明は、確かにモニター画面で確認できたけど、素人にはそれがどう問題なのかは分からない。

医師の態度は、今日2時間受けてきた人間ドックのスタッフとは明らかに違っていた。
いい意味でも悪い意味でも、人間ベルトコンベアーに乗せられたように次々進んでいく検査に誘導してくれる看護師からは、普通の病院のようなホスピタリティーを感じなかった。
ただ悪い印象はなく、人間ドックはいかにスムーズに検査を終了させるかも課題(のはず)。むしろテキパキと働く看護師の動きに感心していた。

しかし、医師はこちらを気遣いながら、言葉を選ぶように説明を進めていく。どう質問しようかと考えていると、医師は諦めたかのように「この腫瘍が良性か悪性か調べる必要があります」「大学病院を紹介させて下さい」と言った。そして、「紹介状を書きますから、来週都合のいい日に再度来院して下さい」と続けた。
「分かりました」と言って、胃カメラ検査室内での会話は終了。<がん>かどうかを調べるということだろうなと思いつつ、あえて<がん>という言葉は発しなかった。

受付で問診の予約を取っていると、胃カメラの医師がやってきて、夕方に時間が欲しいと言う。
仕事終わりに再度寄ると約束した。
展開は、検査直後の話より早くなったことになる。

人間ドックが終了したあと、私用を済ませ、昼食を取り、人間ドックを受けた病院へ。今日結果が出る検査は、胃カメラ以外すべてA。10分ぐらいで病院を後にして、今度はオフィスへ。
今日から冬休みのはずだけど、一部残った仕事を処理。
そして、また病院に舞い戻る。



胃カメラの医師は、ポリープが出来ている位置や大きさ、食道の構造、今後超音波内視鏡、また生検(患部を切り取って調べる)が必要なことなどを説明してくれた。
帰り際「<がん>という可能性が高いというわけではないので、心配しないで下さい」と、今日始めて<がん>という言葉が出た。

大学病院の紹介状を受けとって病院を出たあと、また仕事に戻った。予定しているイベントの会場下見。

病院 → 仕事 → 病院 → 仕事と、やるべき事をこなしていると、もしかしたら<がん>かもしれないという事をゆっくり考える時間はなかった。
ある意味、仕事がある事はありがたかった。

仕事が終わって、帰りがけに本屋に寄った。
自分の置かれた状況を正しく理解しないまま、不安を抱えるのは性に合わない。医学書のコーナーで何冊か立ち読みし、<食道がん>について基礎知識を入手した。
あまり深入りするのは、その行為自体が<がん>を誘発する気がして、家庭の医学など簡単な医学書だけ眺め、早めに本屋を引き上げた。

お気に入りのサラダバーで夕食用のサラダを買って、いつもどおり帰宅。
夫は出張中で、今日は一人。
何も変わらない日常を過ごそうと思っていたけど、なぜかシャワーを浴びているとき、涙が出てきた。

医学書に書いてあった「食道の頸部(上部)に出来た<がん>を手術の際、咽頭(のど)を切除する可能性があり、その場合声が出せなくなる」という記述が心にひっかかっていた。
「のどからすぐ近いところにポリープがあります」と医師は言っていたのだ。

一通り涙を出したら、気持ちが落ち着いてきた。
この段階でセンチメンタルになってどうする、と自分を奮い立たせた。
なんともいえない不安が襲ってきたのはこれぐらいだった。

悩んでも解決しない問題で、日常をかき乱されたくなかった。
まだ結論は出ていないのだ。感傷的になっても仕方がない。

国立がんセンターの統計によると、<食道がん>は圧倒的に男性に多く、女性に比べて5倍ぐらいの発症率。しかも、女性の場合は、死亡率が減少している<がん>。そして、高齢者に多い<がん>とのこと。
また、喫煙や飲酒との相関性も強いらしい。
私は、タバコは吸わないし、飲酒も多くて週1,2回だ。ましてや、私は男性でも、高齢者でもない。